[2019.8.8]
准学校心理士認定委員会委員長
大野精一(星槎大学大学院 教授・研究科長)
皆さんは学校心理士資格取得に向けて計画的にこの3年間を過ごそうとしておられると思います。
その条件は以下の通りです。
1)1条校(学校教育法)または幼稚園・保育所等の保育施設で3年間専門的な実務経験を有すること。
2)学校心理士として機構や士会(支部研修も含む)の研修会に出席し,4年制大学卒業者にあってはAポイントを含む5ポイント以上を,保育等専門学校や短大の卒業にあってはAポイントを含む10ポイント以上を取得すること。
上記1)についてはすでにこの4月から学校や保育所等で勤務され,上記2)についてはこの夏の研修会(例えば千葉県松戸市にある聖徳大学で開催の日本学校心理士会年次総会) をはじめいくつかの案内を受け取っていることでしょう(このために皆さんの正確な住所が必要なわけです)。
ただこれらの条件は学校心理士資格認定「申請」の条件です。
この条件を満たしたうえで,ケースレポートを作成し必要な書類を整えて認定申請を行い,論述試験と多枝選択試験を受験して合格する必要があります。
これらのことについては,来年の日本学校心理士会年次総会等で詳しく案内をする予定です。
今から準備しておいていただきたいのは,ケースレポートに関することです。
手引きでは下記のような記載がなされています。
ケースレポートは,スーパーバイザーの指導を受けたケース(申請時直近5年以内のもの。ケースの実施期間の開始日または終了日が含まれていれば可)について学校心理学の観点から書きます。
大学院の授業(実習など)の一環として行われた実践も可とします。図表や参考文献・引用文献のすべてを含めて〈A4サイズ縦用紙(片面横40文字×縦25行)10枚〉とします。
スーパーバイザーの意見をどのように支援に活かしたのかについての具体的な記述が必要です。
なお,作成要領は「手引き及び申請書」に,ケースレポートの例は「学校心理学ガイドブック」に詳しく記載されています。
これは「ケース」を「レポート」として作成する際の説明で,皆さんにはわかりにくいことかと思いますので,上述の通り年次総会等で詳しく説明します。
ただし「ケース」がなければ,何も書けませんので,皆さんにはこれを今から思い定めてもらいたいのです。
今,皆さんは実践現場でご苦労されているのではないでしょうか。
日々生じている「ご苦労」で,これからのキャリアの為にこれは特に,じっくりと考えてみたいと思い定めている「事例」はありませんか。
もしあれば,そのことに関わるすべてをできるだけ詳しくメモしておいてほしいと思います。
これがケースレポートを作成する中心的な素材となります。
どのように形を整えて「料理」するか,誰に相談したらいいか等についてはその後のことで,また別の機会に説明します。
このメモは今更言われるまでもなく,皆さんは職務上やられていることではないでしょうか。
園児,児童,生徒等の理解や園児,児童,生徒等の指導に必要不可欠だからです。
皆さんの日々のお仕事でいくつもの「気になる」ケース等があり,これらの事態や指導の中から特にこれを詳細かつ正確に記述し,今後の実践に生かす,活かすために必要なものとなるのが「ケースレポート」であり,学校心理士資格認定審査にはこの提出が求められているとお考え下さい。
どうか,今からケースレポートの準備を始めるようにおススメいたします。